2005年7月27日号掲載記事より
花王、英国の化粧品会社「モルトン・ブラウン社」を買収、欧米進出を加速
花王は、スキンケア、ヘアケア、バス・ボディケア等の製造・販売を行う英国のモルトン・ブラウン社(ロンドン)を、花王の英国新設子会社である花王プレステージ社を通じて買収した。今回の買収では、花王がモルトン・ブラウン社の全株式を、英国の投資銀行ブリッジポイント・キャピタル社、及びモルトン・ブラウン社の経営陣から買収総額1億7000万ポンド(日本円約340億円)で取得した。
モルトン・ブラウン社は1973年にロンドンで創業し、厳選された自然成分を用いた幅広い分野の製品を販売する高級ブランド企業として発展。その製品は、ハロッズやセルフリッジ(英)、ニーマン・マーカス、ブルーミングデール(米)、バーニーズ・ニューヨーク(日)などの世界の有名デパートに加え、同社製品のみを販売する路面店モルトン・ブラウン・エンポーリア(全世界で37店)等を通じ、世界70カ国以上で販売されている。
さらにアメニティ事業も行っており、世界各国の一流ホテルにモルトン・ブラウン製品を室内アメニティとして供給しているほか、英国航空にも、主要な国際線で使用するアメニティ商品を供給し、ここ数年の業績は順調に推移し、毎年2ケタの売上伸長率に加え、高収益を維持している。04年度の年間売上高は87億円、05年度は110億円の計画。なお、花王当期連結業績への影響は軽微である。
花王は、今回モルトン・ブラウン社を傘下に収めることにより、さらに欧米への進出が加速されることになる。また、欧米を拠点とした花王ブランズ社や花王プロフェッショナル・サロン・サービシーズ(KPSS)社との連携等、花王グループのビューティケア事業全般においても、さらなるシナジーが期待できる。
資生堂、前田新社長のもと3カ年計画を始動、「利益重視の経営」へ転換
7月から新しい経営執行体制のもと、「3カ年計画」をスタートさせた資生堂は、事業の枠組みを超えたグループの総合力発揮を目指し全社一丸となって取り組んでいるが7月19日、「05年度のホールセールチェイン社長会」(28社28名参加)を帝国ホテルで開き、得意先卸流通への新体制による経営方針、今後の営業戦略などについて説明を行った。
前田新造社長は、資生堂をもっと良い会社に磨き上げ、ホールセールなどお得意先、お客、株主、社員、社会といったすべてのステークホルダーの期待に応えるための「私の3つの夢」(①資生堂が100%お客様志向の会社に生まれ変わること②大切な経営資源であるブランドを磨き直すこと③魅力ある人で資生堂を埋め尽くすこと)の実現について語り、「この夢がすべて店頭基点の改革に結びつく」と述べた。
また、店頭基点の改革をさらに昇華させるため、今年度から取り組む「3カ年計画」のコンセプトを「お客様志向のマーケティング改革」と定め、「明快な成長戦略を描き、確実に実行することによって、全社員が元気になり、それが次の改革エネルギーとなるよう、資生堂を舵取りしていきたい」と述べたが、エフティ事業については、マーケティングテーマを「洗浄3分野への集中化」に定め、利益を確保しながらブランドを育てるためのメリハリをはっきりさせることに専念し、「太くて強いブランド=メガブランドの育成」というメガブランド構想(事業の枠組みをはずし、06年度から本社マーケティング部門の陣立て変更など)について説明した。
カネボウHP本部が秋の新製品発表会を開催、秋冬の基本戦略等を発表
カネボウホームプロダクツ事業本部は7月19日、ホテル日航東京で平成17年秋・新製品発表会を開き、今秋・冬の同社基本戦略並びにマーケティング、製品・販売、営業及びチェーンストア戦略を説明した。
岩倉昌弘カネボウホームプロダクツ販売社長は、今年度について「カネボウの中核事業として安定した事業基盤の確立を目指し、基幹ブランドの価値を更に高めるべく、品質の向上と顧客満足度を高める真の「消費者対応マーケティング」を推進。また消費者の購買意欲を刺激し、更に発現効果を高める宣伝、販売促進対応の推進、在庫適正化と生産・物流合理化によるコストダウンの徹底で収益性の向上を実現し、売上げ、営業利益とも拡大路線で前進する」ことを事業方針に、①カネボウならではの事業間シナジー商品の投入②遊び心を持った商品展開③基幹ブランドの継続的な育成④店頭で話題となる施策――を展開、顧客に価値を提供して攻勢を仕掛けていくとの方針を発表。「我々のホームプロダクツ事業は、トイレタリー産業で持続的な成長軌道を確立完遂するために、一番厳しい生活者の目を持ち、店頭、そしてお客様を最優先する改革に取り組み続ける」と述べた。
KHPでは、17年度を「再生第2ステージ」と位置付け、①厳しい市場環境変化の中でスピードと柔軟性に即した店頭基点のマーケティング戦略を展開し健全な事業体制を目指す②カテゴリー・ブランド毎別の育成方法を明確化し戦略を推進する③カテゴリー別のシェア獲得目標の設定④カネボウならではの事業間シナジーを発揮する商品開発・マーケティング施策の立案・実行――を基本戦略に、カテゴリーでは、特に基礎化粧品に新生KHPの基礎化粧品新構築の第一弾として、コンセプトに漢方を取り入れた「和漢花」を投入。コミュニケーション、販売方法、教育活動等を含めて付加価値のある育成策を展開する。
シャボン玉石けんが第23回シャボン玉会を開催、EM液体石けん等を発表
シャボン玉石けんは、第23回シャボン玉会を7月15日、北九州市のステーションホテル小倉において開催した。
森田光徳社長が主催者あいさつで「わが社は、おかげさまで5年おきに増改築を行い、今年も7月から液体EM石けん6種類、詰め替え用も入れると12アイテムを一挙に新発売することができた。最初からそんなにたくさん売れることもないだろうと思っていたら、予想以上の売れ行きであっという間に在庫がなくなり、あわてて増産にかかったが、わが社の製品は、昔ながらの製法でじっくり造るため、製造に日数がかかる。最初に飛ばしすぎてもあとが続かないとだめだし、物事には明るい面も暗い面もあるが、暗い面を寄せ付けないようにがんばっていきたい。今年は95周年も迎える。気を引き締めていこうと考えている」と述べた。
新製品のEM液体石けんシリーズは、「シャボン玉EMシャンプー」「シャボン玉EMリンス」「シャボン玉EMボディソープ」「シャボン玉EMハンドソープ」「シャボン玉フェイシャルソープ」「シャボン玉EM食器洗い液体せっけん」の6品があり、それぞれ詰め替え用も同時発売となっている。また、9月から新たに「シャボン玉EM液体洗濯せっけん」、同詰め替え用も発売予定となっており、全14アイテムのシリーズとなる。
EM液体石けんは、酸化防止剤、防腐剤、香料など無添加で、従来の無添加の路線を液体でも実現した画期的なシリーズ。
従来同社では、液体石けんについては、水を入れるため腐りやすくなり、そのためにどうしても化学物質である防腐剤を入れないといけなくなる。そして液体石けんにするために純石けん成分が薄められ、結果的に使用量が増えてしまうというデメリットがあるということから製品化をしなかった。しかし、そして長年の研究とEMの持つ抗酸化力で、化学物質である酸化防止剤や防腐剤を入れない液体石けんの製品化が実現した。
2005年7月27日号 記事一覧
会合・発表会
- グローバルセキュリティEXが懇談会を開催、Webセキュリティの現状を解説
- ナガセBCがベースメイク、ポイントメイクのメイクアップ2ブランドを発表
- ユースキン製薬、創業50周年を記念し新ユースキンA50周年パックを発売
経営・施策
- プラネット、株式の流動性向上、投資環境整備等を目的に株式分割を決議
- ヘルスパワージャパン飯野由昌社長インタビュー 「肌に必要なのは水」
製品・サービス
- 白十字、清浄綿シリーズを改良、個別パックによる滅菌でより衛生的に
- 小林製薬、アニマル消臭元からペンギン型容器の「ハッピーミント」を発売
- 三洋電機、過昇温防止機能付きニッケル水素電池「トイセル」を新発売
- 太陽油脂、液体石けんが主成分の「ナチュロントイレ洗い石けん」を新発売
- FT資生堂が秋の新製品を発表、水分ヘアパックなど洗浄3分野から新製品
- 伊勢半、リップモイストなど3ブランドからリップ新製品を発売
- オデオク、新マスカラ「ロキソニア マーヴェラッシュ」を新発売
- 東芝LT、一般電球と同形状、同じ光り方の「ネオボールZリアル」を新発売
- 花王、食器からシンクまで洗える「キュキュットクエン酸効果」を新発売
- J&J、ディズニーキャラクターをミックスした「バンドエイド」を新発売
- 小林製薬、80mgの杜仲葉配糖体を含有する健康ドリンク「杜仲源EX」を発売
- 資生堂、エス&コーから秋冬限定のメーキャップパレットA/Wを限定発売
- ダリヤが秋の新製品を発表、サロンドプロ無香料ヘアカラーの新色等を発売
- マンダム、「ギャツビー」からCVS専用スタイリングアイテム5品を新発売
- ハーバライフ、栄養を直接肌に与える新スキンケアシリーズを新発売
- 花王、ソフィーナレイシャスから新ベースメークアイテム3品を新発売
- 資生堂、ユーヴィーホワイトから薬用美白ジェルと薬用美白化粧水を新発売
- ホーユー、マーカータイプの白髪隠し「ビゲン生えぎわマーカー」等を発売
- C.C.Medico、冷凍庫保存を前提とした化粧品「チルドフォースキン」を発売
- ライオン、デンターシステマデンタルリンスに特大サイズを新発売
- ジレット、替刃式電動カミソリ「エムスリーパワーボルテージ」を新発売
宣伝販促
- ユニチャーム、ムーニーマンの消費者キャンペを実施、期間限定商品も発売
- SSLヘルスケア、コパトーン店頭キャンペーンの第2弾を8月21日まで実施
- コーセーCP、「ソフティモちゃっかりしあわせキャンペーン」を実施
- ジレット、サッカーW杯観戦チケットが当たる男性用剃刀のキャンペを実施
人事・組織
- LG生活健康の大阪支社長に河益魯氏が就任へ
- 東洋アルミホイル、冨岡祥浩氏の新社長就任を含む新役員人事を発表
決算
- 花王18年3月期連結第1四半期決算、既存事業の強化等で売上高3.0%増に
研究・開発
- 資生堂、抗ストレスホルモン「DHEA」の働きを高める香り・成分を発見
調査・統計
- 西化工17年1~5月出荷統計、仕上用化粧品等の伸長でトータルで8.9%増に
- 流開センター、日配品自動納品支援システム導入実験の報告書をまとめる
施設・店舗
- ベイシアの3社が核店舗となる「カインズモール彦根」が滋賀県にオープン
時評・コラム
- 時評 資生堂の企業遺伝子・ミーム
その他
- SAPジャパンが富士通フォーラムに出展、近未来ビジネスの事例等を紹介
- マッチ時報第314号
- 花王、CSR視点から花王の事業活動を紹介した「CSRレポート2005」を発刊
特集 【暑中号①】
- 05年上半期流通動向を追う 異業種卸の統合で「業態卸」が誕生
- 05年北海道流通この1年 市場規模縮小も大型店出店が続く
- 森友通商森友徳兵衛社長インタビュー 「利益貢献できる商品を提供」
- サプリコ秋葉吉秋社長インタビュー 「執行役員制導入、実務を充実」
- テクノカネカ島村光一社長インタビュー 「新情報システムが今秋完成へ」
- 太陽商事平木正人社長インタビュー 「透明で公正な取引条件を」
- 特別流通レポート 百紅-成長続ける中国初の合弁卸売業
- 特別講演 環境変化に適応する営業力の強化 マツモト経営研究所松本欣也氏
特別企画
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