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2005年5月25日号掲載記事より

全卸連が17年度通常総会を開催、地域流通の諸問題を研究する研究会を設置

 全国化粧品日用品卸連合会(清水俊吉会長―麻友)の平成17年度(第31回)通常総会が5月18日、経団連会館国際会議場で開かれ、厳しい業界情勢の中で製・配・販がより信頼関係を構築し、「透明性のある公平な取引の実現」に向かって努力していくことを優先課題とすることを確認、併せて「業界卸の盛衰は、規模を問わず卸自身が握っている」との自覚と責任を強調した。
 全卸連会長として2年目を迎えた清水会長は、「今ほど卸機能に対して注目が集まっている時期はない。直販から再び卸機能利用に戻った例もあるように、小売流通がいくら進化しても、卸がなくなることはない。『卸の存在価値』を、我々自身がもっとよく考えていくべきである」とした上で、地域密着型卸が圧倒的に多い全卸連会員に対して「組織小売業が進展する中で、地域卸を利用することがいかに効果・効率的で、コストが低くできるか、そして地域有力卸はオーナー企業が多く、自主独立を基本にした企業文化を信じることがカギとなる」と述べた。

新日本石油が6月からワックス製品の卸価を改定、1kg当たり20円の値上げに

 新日本石油は5月18日、ワックス全製品の当社系列特約店卸価格の改定を6月から実施する発表した。対象製品は、パラフィンワックス、マイクロクリスタイリンワックス、ブレンド品、ソフトパラフィンの4種で、卸価格改定(値上げ)幅は、㌧あたり05年5月対比プラス2万円としている(㌔㌘あたり20円)。
 改定の理由について同社は、「ワックスの原料であるミナス原油などの南方原油価格は、かつてない高値で推移しており、そのコストアップ分は、製造段階で吸収できるレベルではない。従って、今回の卸価格改定幅は、最近の原油価格及び為替変動要素を勘案して、前回価格改定時(04年7月㌧あたりプラス5000円)からのコスト上昇分㌧当たり2万円を改定する」としている。
 ちなみにミナス原油価格(PLATT'S CRUDE SPOT PRICE)の動向を見ると、04年4月~6月平均35.4㌦/BBL(為替レート1㌦あたり109.7円)、同7月~9月平均40.8㌦/同(同109.6円)、同10月~12月平均同37㌦/同(同111.5円)、05年1月~3月平均47.6㌦/同104.1円)、同3月54.6㌦同(同104.8円)、同4月55.8㌦/同(同107.4円)となり、3月以降は、55㌦/BBLまで推移しており、この価格レベルで推移すると見込まれる。

小林製薬17年3月期連結決算、7期連続増収増益に、1株当たり33円を配当へ

小林製薬17年3月期連結決算、7期連続増収増益に、1株当たり33円を配当へ

 小林製薬は5月17日、同社本社5Fホールに関係業界紙を集め、17年3月期決算記者発表会を開いた。会見では、田中常務・グループ統括本社本部長が決算内容と今期の業績予想について説明した。
 連結業績は、売上高2157億800万円(前年同期比1.9%増)、営業利益156億9800万円(同2.6%減)、経常利益141億5900万円(同0.2%増)、当期純利益67億3000万円(同0.8%増)で終了し、7期連続の増収増益を達成したことを明らかにした。
 単体では売上高894億8100万円(前年同期比3.1%増)、営業利益135億3800万円(同0.9%増)、経常利益126億8500万円(同4.1%増)、当期純利益68億8400万円(同8.9%増)となった。
 セグメント別の状況は、家庭用品製造販売事業では、売上高892億7300万円(前年同期比2.5%増)、営業利益144億9200万円(同1.0%減)。家庭用品卸事業は、売上高1283億5600万円(同1.8%増)、営業利益7億9900万円(同49.6%増)。医療関連事業では、売上高160億5600万円(同2.9%増)、営業利益1億8900万円(同70.7%減)。その他事業では、売上高122億500万円(前年同期比2.9%増)、営業利益1億4000万円(同8.5%減)となった。
 18年3月期の連結業績については、売上高2500億円(前年同期比15.9%増)、営業利益165億円(同5.1%増)、経常利益149億円(同5.2%増)、当期純利益71億円(同5.5%増)を見込んでいる。

大王製紙17年3月期連結決算、原燃料費の高騰等が影響し増収減益に

 大王製紙は5月13日、平成17年3月期連結決算を発表、それによると、売上高3953億7600万円(前年比1%増)、営業利益324億6500万円(同15.8%減)、経常利益253億5100万円(同15.5%減)、当期純利益42億8700万円(同69.7%減)の増収減益となった。
 事業種別セグメント状況では、衛生用紙事業は、前期に復元した価格の維持に努めたものの下期からの市況の軟化に伴い価格が下落してしまったが、消費者に対してより高い満足を提供することを目的に新製品の開発を進め、高付加価値商品では「ローションティシュー」のリニューアルと高級ティシュー「プレミアム450」の新発売、汎用タイプでは、従来のエリエールブランドに加え、エコノミータイプの新ブランド「COCON(ココン)」を発売した。さらにエリエールティシュー25周年企画を展開して店頭活動と新規取引先の開拓を積極的に行い、販売数量は前期を上回ったが、販売金額は前期並みに終わった。
 また紙加工製品事業では、ベビー用紙オムツは、少子化によって需要が減少する中、グ~ンブランドのプレミアム商品として「グ~ンスイミングパンツ」、「グ~ンおしゃれパンツどうぶつシリーズ」を新発売し、新たな生活スタイルを提供することで市場の創造に務めたが、競争激化の影響を受けて販売数量・金額ともに前期を下回った。
 大人用紙オムツは、高齢化により市場が成長する中、パンツタイプと併用する「パンツぴったりパッド」、「らくらく交換パッド」と、薄さと柔らかさを持たせた「うす型体感パンツ」を新発売して品揃えを進めた結果、販売数量・金額ともに前期を上回った。
 生理用ナプキンは、ふつう厚タイプの吸収力を薄さ1㍉のスリムタイプで実現するとともに、ナプキンで初めてファッションの視点を取り入れた「エリスさらさらシルクNOラインスリム」を新発売し配荷店舗拡大に努めたが、生理対象人口の減少による需要の低迷もあり、販売数量、金額ともに前期を下回った。

マンダム17年3月期連結決算、8期連続の最高益更新を記録、海外事業は急伸

マンダム17年3月期連結決算、8期連続の最高益更新を記録、海外事業は急伸

 マンダムは5月16日、東京都内のマンダムグループ東京日本橋ビルで平成17年3月期決算説明会を開いた。西村社長はその中で、売上高が475億4600万円(前期比4.8%増)となり、前期より21億8100万円の増収、営業利益も前期より2000万円増加の67億円(同0.3%増)と8期連続の最高益更新となったことを報告。また新中期経営計画の中で、①国内のヘアカラーで白髪用市場への本格参入②女性コスメティック分野の事業拡大につながる土台づくりの強化③海外事業における中国市場での本格展開などについて発表した。
 連結業績は、売上高475億4600万円、営業利益67億円、経常利益62億8100万円(同0.4%減)、当期純利益32億1100万円(同1.3%減)となった。
 連結売上構成率は国内75%に対しインドネシア・韓国を中心に海外売上げを大幅増収し、前期より4%増の25%に上昇した。
 マンダム単体の売上げは夏シーズン品とギャツビーを中心に堅調に推移し、343億7600万円(同3.9%増)となった。
 西村社長は、ヘアカラーの白髪用分野への本格参入について、「男性用はルシードを拡大し、女性用は新ブランドでの参入を考えている」と答え、また女性コスメティックはスキンケア・メイクアップ・ボディケア商品を一般セレクト流通並びにエステティック流通で強化し、内製化に向けた体制づくりを行うと言及、さらに将来的にインドネシア発の化粧品の拡大や将来のマンダム流の新商材に向けてのエステティック企画室新設をアピールした。さらにすでにスタートしている中国市場への本格参入では、中国国内で生産・供給できる製品(ギャツビーなど18アイテム)に絞り込んで展開することを明らかにした。


2005年5月25日号 記事一覧

会合・発表会

  • 全卸連副会長人事、米田氏(松江共和)、畑中氏(シスコ)の両氏が選出
  • 全卸連17年度通常総会の各委員会活動報告詳細
  • 東京卸組が平成17年度通常総会を開催、森友理事長「中小卸の活性化を」
  • 大阪卸組が第27回定時総会を開催、畑中伸介氏(シスコ)が新理事長に選任
  • JACDS政治連盟が、薬事法改正による変化をテーマに特別セミナーを開催

経営・施策

  • 花王とコダックが電子写真トナーに関する特許侵害訴訟で和解

製品・サービス

  • ライオン、「部屋干しトップ」から水に溶けやすい液体タイプを新発売
  • 大王製紙、ダル・マット系微塗工紙で最低緊度となる嵩高微塗工紙を上市
  • SSL、携帯電話用フィルターを添付した「コパトーン」の企画品を限定発売

宣伝販促

  • CM総合研究所がベストアドバタイザーを発表、好感度でエステー化学が2位
  • 阪急百貨店うめだ本店が他店に先駆け、中元総合ギフトセンターを開設
  • 日本香堂、灰の少ない「青雲クリーン」のラジオ・TVCMの放送を開始

施設・店舗

  • プロロジス、マルチテナント型物流施設「プロロジスパーク浦安Ⅲ」を起工

時評・コラム

  • 時評 デフレ市場下の原材料高騰
  • 泡沫 日用品業界における再販制度の歴史
  • 独り言 大阪「らしさ」 信頼と友情と
  • らいたあ ロンドンを歩いて-自由の裏にあるもの

その他

  • アロマテラピーの普及・啓発を推進する「(社)日本アロマ環境協会」が発足
  • SAPジャパン、第6回西日本支社ユーザー事例カンファレンスを大阪で開催
  • マッチ時報第313号
  • PRページ ユニチャーム 第3の生理用品・ソフィボディピースセット発売
  • 環境庁、地球温暖化防止運動を「チーム・マイナス6%」の愛称で推進へ
  • ポーラ文化財団、日本の伝統文化の記録映画上映会を東京と神奈川で開催
  • ポーラアネックス、ポーラ美術館印象派展カフェトークを6月20日に開催
  • ポーラ美術館、ポーラ美術館印象派展のギャラリートークを6月に開催

特集 【ヘアケア】

    特別企画

    • ヘアケア3品市場、04年は数量減も金額は増加、競争激化で上位集中化進む
    • ヘアカラー・スタイリング市場、新製品投入でシェア競争が過熱
    • 花王、アジエンスなど主力3ブランドが好調、トータルシェアNo1に返り咲き
    • P&G、ヘアケアカテゴリーのシェアが伸長、主力ブランドから新製品を投入
    • 日本リーバ、スーパーリッチを含む主力3ブランドでキャンペを実施
    • ポーラDC、高濃度潤い成分配合の「セルディ・ヘアレベルプロ」を新発売
    • ライオン、植物物語ハーブブレンドを積極展開、ソフトインワンも改良
    • マンダム、ギャツビー、ルシードエルからヘアカラーの新色を積極投入
    • FT資生堂、7種の美容液成分配合したフィーノ浸透美容液ヘアマスクを発売
    • サンスター、Vo5ブランドの日本上陸40周年に併せ、消費者キャンペを実施
    • カネボウHP、新ナイーブの実績が計画値をクリア、シェアもピーク時に肉薄
    • サラヤ、「ヤシノミ自然派ダメージケアシリーズ」の販路拡大に意欲
    • コーセーCP、超微細補修成分配合の「サロンスタイルナノチャージ」を発売
    • 美香園、手早く薄化粧できる「ちょっとそこまでファンデーション」が好調
    • ホーユー、ビューティーンを全面改良、全22アイテムのラインアップで展開
    • ダリヤ河合幹夫副社長インタビュー 「夏休みに合わせた山積企画を準備」
    • 牛乳石鹸、「シャワランストリートトニックシャンプー」を改良新発売
    • 日本ロレアル、「ロレアルパリ エクセランス」からローズ系の新色を発売
    • 日本合成洗剤、ウインズの「ダメージケアシャンプー・リンス」が好評
    • レック、洗髪後の髪を素早く乾かす「ターバン&ヘアキャップ」を新発売


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。