2004年5月5日号掲載記事より
経済産業省、4月23日付けでカネボウの「経営資源再活用計画」を承認
カネボウが産業活力再生特別措置法に基づき申請していた経営資源再活用計画が4月23日、経済産業省から認定を受けた。この認定により同社は産業再生機構の支援を得て、化粧品部門をスピンオフした上で、収益力と成長性を踏まえた経営資源再活用の諸施策を実行し、グループ全体の再生に向けて、さらなる構造改革及び財務体質の抜本改革を推進していくとしている。経営資源再活用の実施時期は5月からで、終了時期は平成19年3月。認定を受けたのは、カネボウブティック、カネボウ化粧品百貨店販売の2社。
経営資源再活用計画の主な内容は次の通り。
①化粧品事業の営業譲渡=カネボウ化粧品百貨店販売が、本年5月6日に、カネボウ化粧品地区販売全10社及び他1社の化粧品事業の営業を譲受、翌7日にカネボウブティックはカネボウ全ての化粧品事業の営業を譲受する。その後、カネボウブティックは産業再生機構の支援を受け、投資などを積極化し競争力の維持・強化の上企業価値の向上を図る。
②事業革新=カネボウブティックは、産業再生機構の支援を受けた後社名変更し、ブランドポートフォリオの再構築及び新たなガバナンス体制の導入を含む事業推進体制の構築を実施する。
③既存事業の収益力強化=事業面では、ブランド集約による業務効率の改善
、取引店に対する全般的な取引条件の見直しを図るとともに、事業インフラ面では、本社及び販社・支社組織体制の見直し、成果型の人事制度運用の更なる徹底、情報インフラ整備、サプライチェーンマネジメントの推進、収益管理体制の強化--などに着手する。
高砂香料、武弘樹氏の新社長就任を含む新役員人事を発表
高砂香料工業はこのほど、6月下旬に開催が予定されている定時株主総会において、新村嘉也代表取締役社長が代表取締役会長に、代表取締役社長兼社長執行役員に、武弘樹常務執行役員フレーバー事業本部長が就任するほか、新役員の人事異動も併せて発表した。
◎武弘樹新社長の略歴
昭和19年1月16日石川県生まれ(60歳)。昭和42年3月北海道大学文学部卒、同年4月同社に入社。昭和61年4月フレーバー部次長、平成元年7月名古屋支店・支店長、同5年6月フレーバー事業本部フレーバー営業部販売第4部・部長、同9年6月フレーバー事業本部フレーバー企画部・部長、同13年6月執行役員 フレーバー事業本部・副本部長兼大阪支店長、同15年6月顧問 高砂珈琲代表取締役社長、同16年4月常務執行役員フレーバー事業本部長(現在)。
花王16年3月期連結決算、家庭用品・化粧品が堅調、前期比売上高4.3%増に
花王は4月22日、平成16年3月期決算短信(連結)を発表した。売上高では、国内事業の家庭用製品及び化粧品(ソフィーナ)が堅調に推移。工業用製品も一部製品で景気低迷の影響を受けたが、ほぼ堅調に推移した。海外事業では、欧米の家庭用製品事業の買収効果で各事業とも伸長して、9026億円(前期比4.3%増)となった。
営業利益は、家庭用製品が海外で苦戦したものの、国内では増益を達成。化粧品は順調に増加した。工業用製品は、売上数量拡大や新規開発製品が順調に伸長したことで、国内及び海外で1197億円(4.2%増)と増益を達成した。
家庭用製品事業では、売上高は前期比3.7%増(実質伸長率4.4%増)の6704億円、営業利益は前期比18億円増の921億円となった。国内では、新製品発売による販売数量の増加やコストダウン活動の成果で、前期比5141億円(2.6%増)と増益を達成した。
カテゴリー別では、ハウスホールド製品が前期比3.2%減となったが、パーソナル製品は、「アジエンス」が売上げを伸長し、売上高3.6%増を達成。サニタリーほか製品では、「ヘルシア緑茶」が順調に推移、17.6%増となった。
一方、アジアでは、アセアン地域は横ばいとなったものの、中華圏では前期を下回った結果、売上高599億円(前期比6.6%減)と減収となった。欧米では、既存ブランドの売上げは横ばいに推移したが、米国・アンドリュー・ジャーゲンズ社が02年に買収した「ジョン・フリーダ」などが好評を得て売上高1020億円(16.9%増)の増収となった。
エステー化学、暖冬によるカイロ部門低迷等により16年3月期業績を修正
エステー化学は4月30日、平成16年3月期の業績予想の修正を行った。修正の理由として、当期より取り扱い始めたサーモケア(カイロ)部門が、暖冬による市場低迷の影響を受けて、①売上が計画を下回ったことに加え、②マーケティング費用が予想外に膨らんだこと③既存部門についても、競争激化を受けて計画を上回るマーケティング費用の増加を余儀なくされたこと--などを挙げている。
なお、23日開催の臨時取締役会で、16年3月期の1株あたり10円(前期比4円の増配=年間17円)を決議し、6月15日開催予定の株主総会で付議する。
◎平成16年3月期連結通期業績予想値の修正
▽売上高450億円(公表450億円)▽経常利益27億円(同30億円)▽当期純利益14億5000万円(同16億円)
◎同単独業績予想の修正
▽売上高432億円(同436億円)▽経常利益21億円(同25億円)▽当期純利益11億5000万円(同13億円)
2004年5月5日号 記事一覧
M&A・設立
- ジークス、化粧品事業を分社化、新会社「エクスボーテ」を設立
会合・発表会
- 和歌山卸組が第22回通常総会を開催、土井理事長「和歌山の活性化が重要」
- 山梨卸組が第12回通常総会を開催、丸山理事長「得意分への特化がカギに」
製品・サービス
- 貝印、柔らかいシリコン樹脂を採用した「シリコン耳かき」等を新発売
- P&G、容器供給体制整備のため「クルマ用ファブリーズ」の販売を一時停止
- 貝印、「ミッフィー」のライセンスを取得、化粧小物など18アイテムを発売
- 小林製薬、小林製薬の栄養補助食品シリーズから「香醋」等を新発売
- 王子ネピア、横モレ防止機能高めたネピアテンダー安心幅広テープを新発売
- シード、抗菌効果をプラスした「ピュアティワンボトルタイプ」を新発売
- 住友3M、新処方の撥水・撥油スプレー「スコッチガード」から5品を新発売
- 小林製薬、「サラサーティコットン100シリーズ」のパッケージを統一
- 日本リーバ、モッズヘアヘアカラーが好発進、発売1カ月でシェア1位に迫る
- 資生堂、「ベネフィークリニュー」から美白ローションを含む2品が新発売
- マックスファクター、SK-Ⅱからシート状美白美容液を新発売
宣伝販促
- 小林製薬、わくわく・ドキドキのある買い場作りをテーマに店頭を活性化
- 王子ネピア、消費者キャンペ「ドレファンプレゼント」の第14弾をスタート
- ツムラ、女優の菊池桃子を起用した企業TVCMを放映
調査・統計
- 消費税総額表示から1カ月、製配販に対応と現状を聞く
- コンビニ16年3月度統計調査、高気温推移も伸び悩み、売上前年比1.9%増に
- チェーンストア16年3月統計、寒暖の差等の影響により総販売額は1.8%減に
- ジョンソン、排水口とゴキブリの侵入の関係について調査
- 近化工16年1~2月出荷統計、トリートメントが好調も、男性用化粧品は低調
イベント・展示会
- ポーラミュージアムアネックス、5月度の催しのスケジュールを発表
- ジャックス、シンガポールの歯科医向け製品展示会で歯間ブラシ等を出展
- キャンドルアーチスト・Candle JUNE氏がキャンドルの展示即売会を開く
訃報・葬儀
- 元資生堂社長・岡内英夫氏が逝去、享年95歳
時評・コラム
- 時評 「花王販売完全子会社」の道程
- 泡沫 公取委の使用済み食用油処理剤に関する警告について
連載・講演
- 進路一考(14) 稲垣重久
- グローバル時代における新流通情報システム最前線 宮原大和氏
その他
- 王子ネピア、環境への取り組みを紹介した冊子「ネピアの森」を発行
- 花王芸術科学財団、「第6回花王研究奨励賞」の受賞者2名が決定
- マンダム、6月17日開催のよみうりオープンゴルフトーナメントに冠協賛
- ニトムズ、愛知県豊橋市で開かれる恒例の婦人バレーボール大会に協賛
- 日本能率協会、「IE改善リーダーコース」を含むセミナーを開催
特集 【カミソリ】
- ウェットシェービング市場、各社大型新製品投入で市場活性化に期待高まる
- ジレットジャパン、ジレットタカスピリットキャンペの第3弾を積極展開
- シックジャパン、クアトロ4、イントゥイション等の大型新製品を投入
- 貝印、男性用4枚刃「K-4 TETRA」に注力、大規模マーケティングを展開
- フェザー安全剃刀、MR3から8個入りを発売、女性用3枚刃マーメイドも発売
- FT資生堂、最需要期に向け、女性用ディスポ「プリペア」シリーズを拡販
- 新機能製品-男性用4枚刃カミソリの動向を見る、若者中心に好調に推移
特別企画
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