2004年1月14日号掲載記事より
貝印、北米市場の拡大に向けユニバーサルグループと美粧用品の販社を設立
貝印は、北米市場でのカミソリ・美粧用品の流通機構の整備・強化として、このほど米国P&G社のスキンケアブランド「ノグゼマ」および「オールドスパイス」のライセンスをシェービング用品に関して所有し、これまで貝印カミソリの北米市場の販売代理であったユニバーサル・グループと折半出資による販売会社「ユニバーサル・レザー・インダストリー」(米カリフォルニア州、アフシン・モグハーベン社長)を設立することに合意した。
これにより、同社のカミソリ・美粧用品は、北米市場で製販一体体制を確立することとなり、より効率的かつ戦略的に同市場でのビジネス展開が可能になる。
貝印とユニバーサル・グループは、10年来の関係で、99年に同グループによるP&Gの女性用のスキンケア「ノグゼマ」、男性用スキンケアブランド「オールドスパイス」の販売ライセンス取得に伴い、貝印が世界で初めて開発した3枚刃カミソリを両ブランドへ供給したのを機にビジネスが拡大、ユニバーサル・グループの昨年度シェービング用品の売上は約3000万㌦となる。
今回、新会社を設立することで、12億㌦と予想される北米シェービング市場にあって、これまでの3枚刃カミソリ「K―3」に加え、新たに開発した4枚刃カミソリを戦略商品として、「オールドスパイス」ブランドに投入することで、さらなる市場の活性化が期待できるとしている。また、これまで未開拓であった化粧小物類の投入も視野に入れることでさらなる市場開拓が期待できるとしている。
今回の新会社設立は、このように拡大が期待できる米国市場で今後予想されるビジネスチャンスに対応していくために、貝印とユニバーサル・グループとの関係も、従来のメーカーと販社という関係ではなく、貝印の製造体制とユニバーサル・グループの販売体制を融合させることが必要と判断したもの。
ワックス製品の動向、ローソク需要は企業努力でほぼ前年並みを維持
日本精蝋担当者は、ワックス製品の需要や、原油の動向について、 「最近の日本国内のワックス製品の動きを見ると、好調なのは、ゴム関連や工業用燃料関連などである。特に、ゴム関連は、タイヤ製品が好調である。これは、国内の自動車販売(輸出も含め)が好調なためである。
一方、需要が減少しているのは、ローソク、接着剤関連、インク関連、紙関連などが挙げられる。しかし、ローソクの昨年度の需要は、ローソクメーカー各社の新製品投入などの企業努力で、一昨年とほぼ横バイで推移し、更なる減少を食い止めたようだ。今後の需要増を期待したい。また、インク関係は、インクジェットプリンターなどの需要が増大した分、熱転写用の需要が減少したことが影響している。しかし、ワックスは、環境に配慮した生分解性や防湿性、合質性などに優れており、そうした用途を活かした需要も今後期待されている。
次に、原油動向を見ると、不安定なイラク情勢は、今後も続く模様であり、昨年、OPECでは、本来需要期である秋に減産を合意したほか、今冬期は、春に向けた需要の減退を見込んで増産せず、価格維持のため供給を絞るようだ。また、中国では、急激な経済発展により、電力不足が懸念され、原油輸入量が増えているという。
さらに、ワックス系原料のインドネシア・ミナス原油の動向は、生産量のピークが過ぎている中、重油燃料として、中国や東南アジア諸国からの引き合いが多く、ICP(インドネシア・クルード・プライス)は、昨年12月には、1バレル31㌦超になると発表した。こうした世界的背景から、原油価格の高止まりは、もう暫く続くようだ」と述べており、この状況が長引けば、ワックスのコスト面でも厳しい状況が予想される。
日本リーバ04年度営業方針発表、個店マネジメント強化で2ケタ成長目指す
日本リーバは昨年12月17日、同本社会議室に関係業界紙4紙を招き、04年度の営業方針並びに春の新製品説明会を開いた。春の新製品の概要が紹介されるとともに、松下本部長から03年度の業績概況と04年度の営業方針について次の通り説明があった。
①これまでのSKUは160前後だったが、今春は71SKUの新製品・改良品を発売、トータルでは190SKUとなる。
②03年実績(1~11月)は、倉入れ106%、倉出し105%で、卸店からの出荷が鈍化しつつある。主力のヘアケアカテゴリーにおいて競合ブランドが販促投資を積極的に展開していることが影響したが、短期的な売上達成よりも、営業利益率の2桁台堅持を目指す。
ヘアケアカテゴリーは、ハードセリングの時代になったが、メーカーシェアは依然として25%を堅持しており、平均売価も高水準を維持している。しかし売価は、競合各社も高価格戦略を軌道に乗せていることから、トップ3フィニッシュというわけにはいかなくなった。パーソナルウォッシュカテゴリーでも競合の高価格マーケティングが成功を収めており、従来の市場とは様相が異なっている。
③04年は「カテゴリーリーダーとしての責任を果たす」をテーマに、2ケタの成長に再挑戦。「個店マネジメントの強化」、「カスタマーとのパートナーシップの強化」、「データマネジメント」を行い、また、粧業品と食品は別オペレーションで展開する。
④また経常利益率の2ケタ台堅持に努める。グローバル展開する企業の多くがこれを基準に活動を展開しており、今年度は「利益率競争」も活発になるのではないか。
チェーンドラッグストア協会、03年度の活動報告と04年度の重点課題を発表
日本チェーンドラッグストア協会(略称JACDS)は、昨年12月19日、東京駅ルビーホールで記者会見を開き、03年の活動報告並びに04年重点課題などについて発表した。
松本会長はあいさつで、「03年は、医薬品規制緩和問題の対応に注力した。12月に大筋で決着を見たが、協会としては、規制緩和の動きは避けて通れない問題と捉え、既に新聞に意見広告を出しているように、消費者にとって今まで以上に安全性と利便性を追求することを前提に、医薬品分類に関する運動を徹底する。
04年は“セルフメディケーション体制確立の年”と定め、さらなる活発な活動を展開する。具体的には①一般用医薬品販売の規制緩和並びに薬剤師不足問題への対応②第4回JAPANドラッグストアショーの開催③ヘルスケアアドバイザー認定制度の公的資格化④ベビーケアアドバイザー認定制度の実施、漢方アドバイザー認定制度の構築⑤薬剤師クラブの充実⑥カテゴリーマネジメントの導入・推進⑦面分業の推進⑧防犯対策への取り組み強化⑨ドラッグストアとセルフメディケーションのPR活動の実施――を行う。さらに、どうしたらドラッグストアがもっと生活者の健康と美容をサポートできるかについての研究活動も実施する」と語った。
2004年1月14日号 記事一覧
M&A・設立
- ポーラ化粧品本舗、日中で化粧品等を販売する合弁会社を現地企業らと設立
会合・発表会
- 愛三岐の化粧品日用品卸組合が合同新年会を開催
経営・施策
- 主要各社のトップ訓示 2004年の抱負熱く語る
- 花王、米国子会社アンドリュージャーゲンズを花王ブランズ社に社名変更
- 新春特別インタビュー P&G営業統括本部長 桐山一憲氏
- ライオン化学が商号変更、新社名は「ライオンケミカル」
製品・サービス
- ブーツヘルスケアJ、クレアラシルから男性用の洗顔料と化粧水を発売
- ユニ・チャーム、ライフリー座位あんしんパッドを施設病院向けに発売
- ポーラデイリーコスメ、春の新製品9ブランド44品を発表
人事・組織
- ポーラ化粧品本舗、1月1日付で広報部の人事異動を実施
調査・統計
- 衛材3品・家庭紙の現況、少子高齢化社会の本格到来に積極的施策で対応
- コンビニ15年11月度統計調査、全国的に高温傾向でアイスクリームが好調
- 日本能率協会総合研究所、スキンケアニーズ総合調査の結果を発表
イベント・展示会
- 日本能率協会、育児グッズなどの展示会「Baby&Kids Fair」を2月に開催
時評・コラム
- 泡沫 甲申(きのえさる)の年を迎えて
連載・講演
- グローバル時代における新流通情報システム最前線 斉藤静一氏
その他
- エステー化学、ドリームミュージカルの出演者オーディションを実施
- 工研だより第604号
- 花王、玉川高島屋の年末チャリティイベントに「メリーズ」で協賛
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。