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2003年11月26日号掲載記事より

ロレアルグループ、シュウウエムラ化粧品の株式の過半数(52.9%)を取得へ

 ロレアルグループ(本社フランス)は、シュウウエムラ化粧品(本社東京都港区、資本金2億6950万円)の株式の過半数を取得することで合意に達し、11月19日、契約に調印した。この合意に基づき、ロレアルグループの日本法人である日本ロレアルのシュウウエムラ化粧品に対する株式保有率は、00年12月に提携締結時に取得した35%から、04年初めに52.9%となる。これによりシュウウエムラ化粧品は日本ロレアルの連結対象会社となる。シュウウエムラ化粧品の03年の売上高は約92億円。シュウウエムラ化粧品の全海外商権は、00年12月の業務提携時にロレアル本社が取得している。また、シュウウエムラ化粧品の代表取締役社長には、日本ロレアル社長のマルク・メネスゲン氏が就任。日本ロレアル社長との兼務になる。なお会長の植村秀氏は引き続き現職を務める。
 創業者の名を冠したシュウウエムラ化粧品は、メークアップ技術に加え、高級クレンジングとトリートメント製品の開発においても先駆者であり、日本で最も著名な化粧品ブランドの1つとして数えられている。国内市場においては、主要百貨店で高成長を記録するなど、順調な伸びを見せているほか、海外でも広範に展開し、特に台湾、韓国、タイを中心とする東南アジアで急速な発展を遂げており、04年には海外事業のより一層の拡充が見込まれる。

ライオンの「薬用毛髪力イノベート」が1カ月で25万本の売上げを記録

ライオンの「薬用毛髪力イノベート」が1カ月で25万本の売上げを記録

 ライオンが10月に全国新発売した新世代育毛剤「薬用毛髪力イノベート」は発売後1カ月で25万本の売上げを達成、発売後1カ月の月間シェアは10.4%を記録し、年内の目標シェア10%を発売後1カ月でクリアした。
 「薬用毛髪力イノベート」は、同社が毛髪科学研究に基づいた遺伝子レベルの研究により、世界で初めて「男性型脱毛」では「発毛促進シグナル」が低下していることを突き止め、それに対応した「サイトプリン」と既に活用している「ペンタデカン」の2つの成分を配合した育毛剤として、発売前から大きな話題となっていた。停滞気味の育毛剤市場(315億円:02年推定同社調べ)は、「薬用毛髪力イノベート」の発売により活性化し、今後も拡大していくことが予測される。
 同品は、新発毛メカニズムの解明を発表して以来、発売後1カ月までに消費者から約1500件もの問い合わせがあり、発売前は「早期商品開発の要望」「発売日について」など、発売後は「メカニズムや効果について」「すぐ購入したいので店舗を教えて欲しい」「使用実感について」などの多くの声が寄せられた。育毛剤は継続して使用することで効果を発揮することから、同社は今後もTVCM、キャンペーンやホームページを通じて、消費者への情報提供を継続していく。

サンスター16年3月期中間連結決算、国内消費低迷で売上高は前年比4.8%減

 サンスターは11月14日、平成16年3月期中間決算短信(連結)を次の通り発表した。
 15年9月中間期連結業績(カッコ内前年同期比)は、売上高310億2300万円(△4.8%)、営業利益17億1300万円(15.2%)、経常利益10億600万円(50.5%)、中間(当期)純利益3億8000万円(△8.3%)となった。
 オーラルケア事業部門では、シナジー効果を狙い、国内外を問わずオーラルケア事業が一体となって、技術、ノウハウを融合した商品開発を実施。しかしながら、国内消費低迷の影響を受けて業績が伸び悩み、同社の売上高は244億5100万円(前年同期比93.8%、連結消去前)となった。一方、米国子会社ジョン・オー・バトラーカンパニーでは、米国市場の厳しい競争下でG・U・Mブランドの歯ブラシが健闘、ブランド知名度の向上に注力した欧州市場でも大きく売上げを拡大し、売上高は5573万2000㌦(同104.4%)となった。なお、本年度から事業を開始した中国子会社の盛勢達国際貿易(上海)有限公司は、当中間期から連結子会社としている。
 以上の結果、当中間期の連結売上高は310億2300万円(同95.2%)となったが、売上原価の低減や販売費及び一般管理費の効率的支出が寄与し、経常利益は10億600万円(同150.5%)となり、中間純利益は3億8000万円(同91.7%)となった。
 事業部門別に見ると、まずオーラルケア事業部門は、連結売上高234億6300万円(同96.3%)。コスメタリー事業部門は、連結売上高53億1600万円(同90.0%)。その他事業部門は、連結売上高22億4300万円(同97.5%)となった。
なお、16年3月期の連結業績予想は、売上高634億円▽経常利益20億円▽当期純利益6億円を見込んでいる。

カネボウ16年3月期中間決算、冷夏と流通在庫圧縮等で連結売上高13.9%減

カネボウ16年3月期中間決算、冷夏と流通在庫圧縮等で連結売上高13.9%減

 カネボウは11月20日、経団連会館で16年3月期中間決算短信のマスコミ発表を行った(一部既報)が、売上高は冷夏の影響と構造改革過程での流通在庫圧縮などにより、2247億円で前年同期比13.9%減、経常利益はマイナス144億円、中間純利益はマイナス671億円となった。帆足社長は各事業部門の決算概況を報告した後、カネボウグループが全社経営指針として“未来構造”“構造改革”を掲げて取り組んでいる中での「中期構造改革プラン」について次の通り説明した。
 「カネボウは、消費財事業を核とした総合生活消費財企業への構造転換を進めており、懸案である『有利子負債の圧縮』並びに『収益力強化』を実現するためには、化粧品事業を中心とした消費財事業の強化策と、グループ全社の構造改革が必要である。
 中期構造改革プランは、①体制・組織のスリム化とコスト・経費・人員削減の徹底②グローバル競争力強化を目的としたアライアンス戦略の実施と不採算事業からの撤収を含む事業構造改革の実施であり、各事業部門の安定収益化を実現し、将来的に持株会社移行を視野に入れる。具体的なグループ経営の指標としては、構造改革施策実施による営業利益水準を150億円強の改善(14年度296億円→18年度目標450億円)、経常利益水準を約200億円の改善(14年度141億円→18年度目標340億円)、有利子負債(5057億円)の2000億円圧縮(平成18年に3000億円以下とする)である。
 体制・組織のスリム化とコスト・経費・人員削減の徹底については不採算事業の撤収・事業単位の統合・再編、人員を2800名削減し1万2000名体制へ、厚生年金基金の代行返上の実施検討などである。さらに事業別の対策と戦略方向については、①消費財事業は、化粧品、ホームプロダクツ、薬品、食品を事業強化部門として、強化策を展開する②徹底したコストダウン、経費削減、組織のスリム化・再編などを行うことで、収益を増強する」
 各事業部門の売上げは、化粧品事業977億円、ホームプロダクツ事業208億円、繊維事業636億円、食品事業228億円、薬品事業87億円、その他事業111億円。16年3月期(連結)の見通しは、売上高4650億円、経常利益マイナス130億円、当期純利益10億円。


2003年11月26日号 記事一覧

M&A・設立

  • ライオン、マコーミック市販品及び実務用品販売をミツカングループへ

倒産・廃業

  • 民事再生法の申請が急増、簡素な手続き逆手に計画倒産等の問題も浮上

会合・発表会

  • セルフサービス協会、日本のスーパーマーケット生誕50周年記念式典を開催
  • セルフメディケーション推進協議会、「学術フォーラム第1年会」を開催
  • 花王、順天大の小林滋氏を講師に招き、「肩こり勉強会」を開催
  • カイロ工業会、会員懇談会開き、エステー化学の入会を満場一致で承認
  • 日本リテイル研究所、一般用医薬品の規制緩和について記者懇談会を開く

経営・施策

  • ライオン商事が業務用厨房部門事業をライオンハイジーンに会社分割

製品・サービス

  • サンギ、超微粒子ハイドロキシアパタイトを採用した、新アパガードを発売
  • ジョンソンのパイプユニッシュ、髪の毛溶かす機能訴求しトップシェア奪回
  • マックスファクター、日本進出50周年を記念した特別限定セットを発売
  • 資生堂、クレ・ド・ポー・ボーデから「むくみ」に対応したアイテムを発売

宣伝販促

  • ライオン、「新・植物物語」の誕生記念キャンペーンを12月末まで実施
  • ユニチャーム、ソフィワイドガードのCMにタレントの白石美帆を起用
  • 三重県の長島観光開発、イメージキャラに「ピーターラビット」を採用

決算

  • 攝津製油16年3月期中間決算、物流部門振るわず売上高は前年比11.2%減に

研究・開発

  • 資生堂、「目立つ毛穴」を科学的に解析、不飽和遊離脂肪酸等の関与見出す
  • ライオン、「ベタつき・ニオイ解消する」制汗剤の新技術を確立

イベント・展示会

  • ユースキン製薬、ハンドクリームの日に東京・渋谷でイベントを開催
  • 理美容製造協会主催のVAN利用セミナーでプラネット玉生社長が講演
  • 香りと文化の会、花の香りをテーマに「第1回香料講座」を開催
  • ポーラ化粧品、ポーラミュージアムの12月度催事スケジュールを発表
  • 日本染色教育研究会、「第33回日染展」の東京、大阪の展示会の日程を発表

時評・コラム

  • 泡沫 高齢化進む労働力事情と定年問題
  • 時評 バリアフリー製品の啓蒙を

連載・講演

  • 企業探訪 こもりコーポレーション 利益、サービス提供できる業務を展開
  • ヘアケア市場秋の取組み(4) FT資生堂 水分ヘアパック

その他

  • ハリマ共和が「第79回秋季ブツブツ会」を開催、ブルーム油井社長が優勝
  • クロバーコーポ、中国上海視察団結成し、現地工場、百貨店などを視察
  • PRページ 7年ぶりの新ヘアケアブランド「アジエンス」誕生
  • マッチ時報第295号


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