2003年10月29日号掲載記事より
花王とカネボウが化粧品事業を統合、花王が49%出資し来春に新会社を設立
カネボウと花王は10月23日、東京・港区のホテルオークラにTV・新聞・雑誌などマスコミ関係者を招いて緊急共同記者会見を開き、両社の化粧品事業統合に向けた基本合意に達したことを、カネボウ・帆足社長、花王・後藤社長が出席して発表した。両社の基本合意については、04年3月末までにカネボウが化粧品事業部門を関連子会社を含めて分離し、新会社を設立。同時に花王が49%の資本参加を行い、両社は対等の精神で新会社を運営。さらに、花王は07年3月末をメドに化粧品事業部門(ソフィーナ)を関連子会社を含めて分離し、新会社に統合するという2段階で行われる。統合後の新会社を「製造」と「販売」の2つの部門に分け、花王は製造部門を、カネボウは販売部門を会計上の連結子会社とする方向で協議・検討する。カネボウの化粧品事業(売上高2112億円=業界第2位)と花王の化粧品(ソフィーナ)事業(758億円=業界第4位)を合わせると約3000億円規模の化粧品会社となり、国内トップの資生堂(4818億円)を追いかけることになる。
カネボウ、グループ事業構造改革の骨子を発表、HP、薬品、食品の強化図る
カネボウは10月23日、東京・虎の門パストラルにマスコミ関係者を招き、事業構造改革の方向性並びに業績の修正等について発表を行った。同社は98年度からの「中期3カ年計画」で、連結債務超過を解消し、連結有利子負債を98年3月末残高から約1000億円圧縮するとともに、01年度からスタートした現・中期3カ年計画において「総合生活消費財企業」への構造転換を推進し、収益と財務体質の改善に向けて努力を続けている。しかし、懸案の有利子負債の圧縮並びに収益力強化を実現するためには、抜本的な構造改革と、さらなる合理化による体質改善の実行が不可欠と判断、すでに8月から「合繊・アクリル事業からの撤収」を発表したが、改めて次の3つの方向性で事業構造改善を実行することを明らかにした。
①化粧品事業のアライアンス戦略展開=コア事業の化粧品事業強化のため、花王と化粧品事業の統合を行う。
②消費財事業であるホームプロダクツ、薬品、食品事業は「事業強化部門」として強化施策を行う。併せて組織の見直し、スリム化、再編などを行い、さらに合繊、天然繊維、ファッション、新素材事業は、安定収益化実現のため、抜本的な構造価格による体質改善のスピードを加速し、短期間のうちに効果を発現させる。
③グループ組織構造の再編などを実施し、将来的には持株会社への移行も視野に入れ、事業部門の統合によるシナジーの追求、管理コストの低減を図る。業績予想の修正については、連結業績が売上高2500億円を2320億円に、単体では売上高1070億円を940億円にそれぞれ下方修正した。
花王16年3月期中間決算、国内外事業の好調で前年同期売上高は120億円増に
花王は10月22日、平成16年3月期の中間決算短信(連結)を発表した。これによると、売上高は前年同期より120億円増加して4469億円(同2.8%増)となり、海外売上高の円高による換算為替差(同15億円減)の影響を除いた実質的な成長率は3.1%だった。営業利益は605億円(同1.6%減)となったが、当初予想の580億円を上回り、国内事業では新製品発売の積極的なマーケティング活動の実施、コストダウンや費用の効率的な活用で、全体で前年同期13億円増加し543億円となった。経常利益は619億円(同1.1%減)、中間純利益は319億円(同4%減)となった。
大手GMS5社が中間決算を発表、ヨーカ堂、イオンの2社が売上げ増に
大手スーパー5社の04年2月中間期(03年8月末)の連結決算短信が発表された。今中間期は、中東地域の不穏な国際情勢やSARSの影響などで不透明な世界経済が続いた中、国内でも、デフレに伴う販売価格の下落や雇用や給与所得の低水準が続き、更に医療費の自己負担増、ボーナス時の社会保険料の上昇があったことで消費者の購買行動も慎重になったといわれる。これに記録的な冷夏が重なったことで、大手GMS5社中、前年同期比で営業収益(売上高)を伸ばしたのは、イトーヨーカ堂(1.4%増)とイオングループ(6.8%)の2社、営業利益ではダイエー(118.9%増)の1社、当期純利益ではイトーヨーカ堂(191.6%)の1社のみが業績を伸ばすという、厳しい結果に終わった。
2003年10月29日号 記事一覧
会合・発表会
- 油脂工業会館、法政大・小峰隆夫教授を講師に迎え講演会を開催
- 紙叶が「第34回紙叶会」を開催、山田社長「カテマネの導入に挑戦」
経営・施策
- 小林製薬の子会社が、現地生産の芳香剤とカイロを中国・上海地区で発売
製品・サービス
- アサヒペン、「人と環境に優しい」をテーマにシックハウス対策製品を展開
- 松下電器、コンパクトSDマルチカメラ「D-Snap」の新4機種を発売
- ライオン商事、「キャットメイトニオイをとる砂」の消費者キャンペを実施
- マックスファクター、「イリューム」から高機能美容乳液を新発売
- 花王、エコナマヨネーズタイプが特定保健用食品の表示許可を取得
- 三協油脂、住居用洗剤シリーズ「スマイルチョイス」5アイテムを新発売
- ポーラcofu事業部、限定メークセット「クリスマスコフレ2003」を発売
人事・組織
- 花王、品質保証本部技術法務センター長兼輸出管理部長に川瀬次朗氏が就任
研究・開発
- 花王、チリダニ誘引成分「ノナナール」と忌避効果持つ香り成分を発見
調査・統計
- コンビニ15年9月度統計調査、真夏日続きアイスクリーム等夏物商材が好調
イベント・展示会
- 第28回PIショー秋2003が東京で開催、海外企業を含む320社が出展
- 全国社会福祉協議会主催の「第30回国際福祉機器展」に13万8000人が来場
時評・コラム
- 泡沫 注目されるダニ用忌避剤
その他
- 資生堂、2003年サステナビリティレポート(社会・環境活動報告書)を発行
- 日本香堂、恒例のゴルフ会「第30回近畿・青雲毎日会」を大阪・茨木で開催
- PRページ 「リブドゥリフレはくパンツかろやか肌着」が好調
- ゆーゆー広場(ニチユ広報誌)第44号
- マッチ時報第294号
特集 【紙関連】
- 家庭紙市場、付加価値商品の訴求を強化、大手3社は価格維持を再度要求
- 衛材関連3カテゴリー、各社少子・高齢化に合わせた新製品開発に注力
- 花王、多い日の昼用ナプキン「ロリエスーパーガードパワフル昼用」を発売
- ユニチャーム、「チャームナップさわやかライナー」を全面改良
- 日清紡、日本初のパルプと古紙の2枚重ねトイレットティシュを発売
- P&G、ウィスパー2品が記録的ヒット、店頭露出増やし販売機会の最大化図る
- リブドゥコーポ、イオンで瞬間消臭する「はくパンツかろやか肌着」を発売
- FT資生堂、消臭機能付ナプキン「センターイン」のフルライン化を促進
- クレシア、新生「クリネックスティシュー」の新作TVCMを発表
- 大王製紙、付加価値製品の販売を促進、「営業の質」向上に注力
- 白十字、パンツ型紙おむつ「サルバDしっかりガード」を東日本で先行発売
- 王子ネピア、ネピアのブランド力強化を推進、ホクシーブランドは再構築へ
- 丸富製紙、緑茶力、ピュアブラウン等の高付加価値製品のシェア向上目指す
- クレシア、選ばれるブランド目指し、クリネックスブランドを全面改良
特別企画
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